家庭や身内、特に夫婦やカップルという男女の間でのよくある会話。

女「ねえねえ、聴いて聴いて!」
男「うん。」
女「あのね、今日ね、あーでこうで、それでね…」
男「ふーん。(TV観ながら)」
女「ねえ、これってどう思う?」
男「…。」
女「ちょっと!私の話聴いてる?」
男「ちゃんと聞いてるよ。」
女「全然聴いてないじゃないっ!!!」
男「聞いてるって。」
女「もう、いい!」
終了〜。

さあ、どこが間違ってるんでしょう?
「聴いて」欲しい彼女と、ちゃんと「聞いて」いる彼。この2人はきっと、永遠に交わることは無いですね^^;

「聴く」ということと「聞く」ということ。ここには大きな違いがあります。
一般的に「ひとのはなしをきく」というのを漢字にする時「人の話を聞く」と書きますよね。
でも、話をする時、人は「聞いて」欲しいのではなく「聴いて」欲しいのです。

カウンセラーになるために、私たちは来る日も来る日も「聴く」ということを猛特訓してきました。
「聴」という字を分解すると「耳」と「十」と「四」、「四」を縦にすると「目」になります、そして「心」。
「聞く」というのは「耳」だけで聞くということ。
カウンセラーは、まさに「耳」に「目」と「心」を「十(プラス)」して、人の話を「聴く」のです。
その人の想いを全て「受容」し「共感」しつつ「傾聴」することが、カウンセラーのお仕事です。

私たち人間は、一般的に「言葉」を使って生きています。
「話すこと」は自分の感情を表に現すことであり、「言葉」によっても人は人と繋がろうとします。
人間は、苦しい時、辛い時、悲しい時、この「言葉」を使って、自分のこころのバランスを図ったり、時には仲間にSOSを発信したりします。
けれど、その「言葉」を、「聴いて」もらうことが出来なかったら。
「ああ、私の気持ちは受け入れてもらえなかったんだ。」
「話しても無駄なんだなぁ。」と感じてしまう。
すると、もう二度とその苦しい想いを話そうとはしなくなってしまいます。
こうして、自分の感情を封じ込め、孤独を感じ、だんだん追い詰められて行く。
これが「うつ」のきっかけとなることもあります。

さらに、女同士でのよくある会話。

A「もう、この間こんなことがあってさ〜。」
B「わかるわかる!私もさあ、こういうことがあって…(と、自分の話)」
C「うんうんうん!私はね、こうでああで(これまた、自分の話)」
D「エ〜!私も私も…」

と、話の「乗っ取り」が延々と繰り返されるのが、女同士の会話というものですよね^^;話題の争奪戦です♪

楽しい話は、全然これでいいんです。むしろ「喋って」スッキリするみたいな。
先の、男女間の会話も、元気な時には別に何の問題にもなりません。
ただ、これが「相談」であったり「悩み」であったり、ある種の「SOS」である時には、話し手はとっても辛いんです。
余計に傷ついてしまうこともあります。

親しい間柄であればある程、ただひたすら一方的に話を「聴く」というのは、実はとても難しいこと。
必ず「限界」があります。
家族、友人に「聞いて」もらうだけでは、解決しそうにない時には、専門家に「聴いて」もらいましょう。
無理はしないで、どうか気軽にカウンセラーを使ってください。
苦しみや悲しみは、自分の中に長い間閉じ込めてしまうと、どんどん増幅して、こころだけでなく身体のバランスも崩してしまいます。
悩みや嫌な想いは、早めに自分の中から追い出して、いつでも自分らしく生きたいですね。

と、ここまでは、カウンセラーらしいこと書きましたが、上の2つの会話は、実は私もプライベートでしょっちゅう体験してるやりとりです(笑)。
そして最終的に「がんばって〜!」なんて言われちゃったりして、「これ以上がんばれって、あなた…今の私に言う?」ってことに(ーー;)
悪気が無いのは理解してても、しんどい時には本当にこたえますよね、「がんばれ」ってセリフ。逃げ場を失くしてしまいます。
カウンセラーとは言え、自分のこころのケアはなかなか難しいものです。私は特に…?( ̄▽ ̄)
大切なお話は、やっぱりちゃんと「聴いて」もらえる所でお話しましょう^^

カウンセリングルーム Queensberry
代表カウンセラー 高木繭子

カウンセリングルームクイーンズベリーは、名古屋久屋大通にある女性専用カウンセリングルームです。
辛かったり、悲しかったり、疲れてしまったり。生きてると苦しいことってありますよね。
そんな時は、一人で抱え込まずに、お話してください。
当日のご予約も、いつでもお待ちしています。

 

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